起業GAME / ジェフリー・バスギャング

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リンクトイン創業者のリード・ホフマンは言う。起業家とは、崖から崖から飛び降り、落ちながら飛行機をつくるような人間だ。と。

起業家は自信に満ちていなければならない。それは当然だが、当人だけが自信に満ちていても駄目なのである。起業家たるもの、他者にも自信を抱かせなければならず、それはまったく別種の挑戦なのだ。

小さなことからはじめたリードは痛感する。大金をつぎ込まずとも時流には乗れる。それは単に、本当に役立つ素晴らしい製品をつくりあげるだけでいいのだ、と。これこそが、野心に燃える起業家たち、なにも成し遂げていないうちから、資金を集めたいと考えている起業家たちにぜひとも覚えておいてほしいことなのだ。自分のアイデアなり、それを実現できる自分の応力なりに自信があるなら、そのまま突きすすんで、わずかな予算でできるだけのことをやり、なにかしら具体的なものを提示する方が、常に投資家たちにより強い印象を与えられる。


わたしは固く心に誓ったのだ。今後、売り込みにいったり、VCと会うようなことがあるときには、ありとあらゆる数字や細かい問題にいたるまで、徹底的に把握してからにしようと。そしてVCの立場から言えば、わたしに売り込みをしてくるすべての起業家にも、同じことを期待している。

VCがより投資をしたいと思う実験は、
1、具体的で特異なもの
2、非常に明確な仮定を有するもの
3、あまり費用がかからないもの
4、さして時間を要することなく簡単に測定できる結果をともなうもの

多くの起業家は、助けを求めることを恐れ、実際に助けを求めているにもかかわらず、それを認めることをよしとしない。結局のところそういった面々が起業家になったのは、自分で自分のボスになるのが楽しいからであり、熱意はあるものの、自分たちのビジョン追求に固執しすぎるきらいがある。そんな彼らにとって、自分たちが助けを必要としている、そしてときには、たとえどんな状況であれ、自分たちが陥っているところから救い出してもらうために救命用具まで必要としている、ということを認めるのは用意ではない。

時間というものに対する考え方が、VCと起業家では大きく異なるのだ。VCにとって、時間は友だちである。断をくださなければならないとき、時間をかければかけるほど、たくさんの情報も得られ、より質の高い判断ができると考えている。かたや起業家にとっては、時間は敵だ。起業家は、とてつもない切迫感を抱いているーーライバルに先んじなければ、一刻も早く顧客との約束を果たさなければ、資金が底をつくなか、なんとしても給料を工面しなければ、というわけだ。一方、投資先起業がどんな困った状況に陥ろうと、VCは、次の月曜には自分たちの快適なオフィスに戻って、マネジメント・フィーを徴収するのが常だ。たとえそれが企業活動を停止させたあとでも。

ベンチャーの支援を受けたスタートアップ企業には、なにかしら魔法のようなものがある。外部の投資家が課してくる規律ゆえなのか、VCが取締役会にもたらす価値や経験のせいなのか、とにかくベンチャーの支援を受けたスタートアップ企業は、支援を受けていないベンチャーに比して、あらゆる点で勝っているのだ。「ベンチャー・キャピタルが投資をおこなって40〜50年になりますが、支援を受けている企業は依然として、民間セクターのほかの企業に比べ、2倍の事業成長率を示しています。これはどうしてなのでしょうか?」